ユングフラウ周辺 旅行記
第10日目 7/12 メンリッヒェン(2239m) ⇔ ユングフラウヨッホ展望台(3573m)
 クライネ・シャイデックを出た列車は、右にユングフラウの氷河や崖の上に乗っかったミューレンの村、左にヴエツターホルンとグリンデルワルトを見下ろしながらアルプの中を上って行く。しかし、アイガーグレッチャー駅Eigergldscher(標高2320m)を出るとすぐにトンネルに入り、あとはアイガーとメンヒの胎内をひたすら上る。
 途中、停車は2回ある(下り列車は通過)。まずはアイガーヴアント駅Eigerwand(2865m。“アイガーの壁”の意)。ここはまさにアイガー北壁のど真ん中。映画『アイガー・サンクション』(1975年)で、北壁から滑落したクリント・イーストウッドがぶら下がっていた場所だ。現在でも登筆者の緊急避難壕所であり、救助隊の出発場所にもなっている。幾多のアルピニストの命を奪った絶壁を見上げてみよう。停車時間は5分。
 次の停車駅アイスメーアEismeer(3160m。“氷の海”の意)は、ちょうど山の向こう側。ここで初めて、ユングフラウ連山の南側の顔を見ることになる。風景は一変して氷の世界。足元のフィッシャー氷河は、グリンデルワルトのグレッチャーシュルフトの源流だ。正面左にはシュレックホルン(4078m)も姿を見せている。  クライネ・シャイデックから50分で、標高3454m、鉄道駅としてはヨーロッパ最高地点のユングフラウヨッホに到着する。
二回停車したアイガーヴアント駅とアイスメーア駅の外界を見る
アイガーヴアント駅Eigerwand(2865m。“アイガーの壁”の意)。 アイスメーアEismeer(3160m。“氷の海”の意)。