エベレスト トレッキング  第11日目 2002/11/04
Lobuche(4930m)[缶250RS] - Tuglha(4600m) - Pheriche(4280m)[缶250RS]
「勇気ある撤退」

順調に日程通り10日間かけて「ロブチェ(4970m)」まで進みました。
しかし、その夜異常な心臓の鼓動を感じ、動悸が激しく眠ることができません。
これは正しく「高山病」だなと自覚しました。 午前3時にガイドをたたき起こし、下山の仕度をさせ明るくなるのを待って撤退の開始です。
振り返って見ると2・3日前から便の色が通常と違っていました。 4000mまで下って再挑戦の方法も考えましたが、書物の知識からこれは「初期症状」ではなく、 かなりの「重症」と判断しました。あとたったの220mを克服できませんでした。残念無念!
昨日の深夜からあの苦しさは、いったい何だったのであろうか?  たった300m下っただけで呼吸も動悸も普通に戻っています。気分も爽快。

「高山病」

2500mを越えればどの高度でも高山病(Hight Altitude Sickness)は起こりうる。
予防はゆっくり登ること。そして、体の変調に気がついたら下山すること。
あなどると死に結びつく。
このクーンブ山域では年に数人の死者がでており、そのほとんどが日本人であることを現地の医療関係者は憂慮している。

高山病とは、高度順応を充分にしないで高地に登ったため体に変調をきたし、場合によっては死にいたる一連の症状をいう。
病気というよりも酸素欠乏症と考えたほうが理解しやすい。 低地での体力・登山経験にはまったく関係なく、誰にでも起こりうるものだ。 4000m以上の高地では半数以上のトレッカーが高山病にかかっている。 その初期症状は、頭痛をはじめ不眠・食欲不振・吐き気・動悸・呼吸困難など。少ない酸素に反応する体の警告だ。 風邪にかかったような気がするだろう。体に異変を感じたらすぐに前日の宿泊地まで戻ること。 先に行って様子をみようなどと思ってはいけない。